法人成りとは、開業届を出したフリーランスが、株式会社や合同会社といった会社を設立させ、個人から法人になることを指します。しかし、いざフリーランスから法人成りしようと思い至っても、どんな準備が必要なのか、わからないことも珍しくありません。その結果、わからないまま断念してしまうということがないよう、事前にしっかりと把握しておきましょう。

法人成りするうえで決めておきたいことは、会社名や法人形態、事業目的、本店所在地などです。このほかにも、役員構成や資本金額といった会社の基本事項が登記申請書で必要となります。この基本事項は時間がかかってしまうことが多く、スムーズに法人成りを進めるためには、早め早めに決めておくことが重要と言えるでしょう。

また、会社の代表印・銀行印・会社印の法人印鑑を作ったり、定款の作成および認証手続きをしたり、発起人の銀行口座に出資金を払い込んだりと、しなければいけないことは少なくありません。必要なものをすべて揃え終えたら、登記申請書をはじめ、印鑑届けや定款、登録免除税の納付台紙、払込証明書などをまとめて法務局へ提出します。

印鑑証明書は法人口座の作成、そして登記簿謄本は法人設立届出や社会保険などの届出で必要になるため、必ずどちらも取得しておきましょう。さらに法人設立届は税務署・都道府県税務署事務所・市町村役場へ、健康保険および厚生年金保険新規適用届は年金事務所への提出が必要です。そのほか、財産移行に名義の変更なども忘れてはいけません。